私は卒業後(もう30年近く前ですが(笑)補綴科に在局して、当時接着歯学で先端の研究をとても優秀な先輩先生方がされていたので、2年ぐらいの短い間ですがちょっとだけ研究のお手伝いをさせていただきました。
その時、象牙質を電子顕微鏡で観察した画像を見させていただきました。
学生時、象牙質の勉強をしましたが、実際の象牙質が想像以上に穴だらけの写真をみてとても驚きました。
その時多くを学んだことが、今に生きていると思っています。
http://www.emtech.jp/HPold/home/photo/2008/02.html
より
DFT(象牙質液体潅流)は新しいものではなく、象牙質接着を知っている人には当たり前で大学教育で特に教えていなかっただけでした。
象牙質は、コラーゲンリッチで、生きた歯の象牙質からはたくさんの体液が染み出てきます。
歯科で強力に詰め物をくっつける接着剤に、樹脂(レジン)の接着剤を多用します。
この樹脂は、基本疎水性といって、水になじみません。
ですので、水分の多い象牙質には、くっつく力が弱いのが弱点でした。
その対策として、水分たっぷりの象牙質に親水性の樹脂をしみこませてコラーゲンごと固める接着剤ができて、歯科の接着剤は大きく進化しました。
https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/siyaku-blog/035312.html
より
体液の分泌には、たくさんのエネルギーが必要であるため、しっかりとミトコンドリアで糖からエネルギーが作られる必要があります。
この歯の内部(歯髄)からの体液の分泌は、細菌などの侵入を防ぐのはもちろんですが、歯を内部からみずみずしく保つ(コラーゲンやカルシウムの新陳代謝)に必要な物です。
https://www3.dental-plaza.com/archives/8432
より
しかも、このコラーゲンをしっかりと樹脂で固めると、新たな脱灰(新たなう蝕)が起きにくいというのも、むし歯の成り立ちを考えるうえで重要な部分です。