今週初め、アルツハイマーの新しい薬「レカネマブ」のニュースがありました。
アルツハイマーは、三型糖尿病とも言われる病気です。
アルツハイマーでは、脳にアミロイドβと言われるタンパク質のゴミが脳に溜まり、脳の神経をおかしていきます。
脳が正常に働くには、エネルギー源となる糖(ブドウ糖、果糖)を大量に必要とします。
ガンを調べるときに、PET検査という検査法があります。
PET検査では、造影剤として、放射線を出すブドウ糖を使います。細胞がこのブドウ糖をたくさん取り込むと、画像で濃く映し出されるため、ブドウ糖の取り込み量の多い場所がわかります。
脳が正常に働くためには、沢山のブドウ糖が必要なため、脳が正常で有ればPET検査では脳は「濃く」反応し画像に出ます。
アルツハイマーでは、糖の取り込みが著しく低下しているため 画像では「薄く」映し出されます。
エーザイとバイオジェンが共同開発した「レカメマブ」。
薬の名前の最後に、なんとかマブとつくものがありますが、「~マブ」は、抗体医薬品に分類されるものです。
アルツハイマーでは、アミロイドβという「タンパク質のゴミ」がたまっていきます。
この「タンパク質のゴミ」に、薬の成分の抗体がくっついて、ゴミを掃除しやすくしてくれるというものです。
レカネマブは、治療薬ではありません。
病気の進行を遅くする薬なので、ある意味予防薬です。
その予防効果は、27%ということです。
進行を遅らせるということで、アルツハイマーの早期の投与が必要です。
アメリカでは、この薬代で年間350万円かかるようです。
おそらく、日本ではもっと安くなるでしょうが、日本では「量」を売るスタイルでしょう。
副作用の全くない薬ではないので、27%の効果に見合うメリットがあるのか疑問を感じます。
早期の認知症と診断を受ける人が急増するのではないかと心配しています。
アルツハイマーは、PET検査では、脳での糖の利用が障害されていることが示されています。
これは、脳にエネルギーが不足しているということです。
脳は、原則、糖(砂糖:ブドウ糖、果糖)をエネルギー源として使用します。
エネルギーがなければ、脳の神経は働きが低下して、長期に続けば死滅していきます。
脳の神経細胞も活動すると、当然人間のようにうんちのような「ゴミ」を出します。
脳のエネルギーが十分であれば、この「ゴミ」掃除は正常に行われますが、エネルギーが不足すると「ゴミ」がためっていきます。
このゴミ掃除を担当するのが、免疫系の細胞たちです。
レカネマブは、抗体医薬品で、アミロイドβという「タンパク質のゴミ」に、抗体をくっつけて、免疫細胞を刺激して半ば強制的に「ゴミ処理」をさせようとします。
脳全体のエネルギー不足ですので、当然、免疫系もエネルギー不足です。
働くエネルギーが不足した免疫細胞たちは、強制的にゴミ処理を迫られても、うまく機能できないために、ゴミ処理がうまくいきません。
免疫系の細胞が「ゴミ処理」に失敗すると、炎症を起こしてしまいます。
レカネマブの副作用にも、脳浮腫や脳出血が挙げられています。
アルツハイマーは、脳の糖尿病です。
糖尿病とは、糖が細胞が利用できない病気です。
アミロイドβの蓄積は、あくまでも「結果」にすぎません。
根本原因は、「糖のエネルギー代謝」の障害がおこされているということです。
生きていく上での、一番の土台は、「ミトコンドリアで糖からクリーンに効率的にエネルギーが作られる」ことです。
シンプルに考えていきましょう。
認知症の予防にも、ハチミツ療法が有効です。
ショ糖をほとんど含まず、果糖含有量の多いハチミツは、インスリン抵抗性(糖尿病の状態)があっても、脳の糖のエネルギー代謝を高めてくれます。
(もうじきに、予防のために、アルツハイマー病ワクチン療法が出てくるのでしょう)
https://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/049110848.pdf
https://jams.med.or.jp/event/doc/125054.pdf