MDCのブログ

健康は、変えることのできない生命の「代謝の法則」に従ったことに対する「結果」です。

むし歯の原因と予防再考⑤ ~Terrain Theoryからみる。MMPとむし歯~

MMPとむし歯

 

https://418yobou.jp/oral-situation/785/

 

古典的に、むし歯(歯が溶ける)のは、細菌が砂糖を発酵させて出す酸によって溶けるためといわれています。

 

むし歯が進行していくためには、歯を構成するタンパク質成分、主にコラーゲンも分解されていく必要があります。

 

コラーゲンが無事であれば、再石灰化(カリエスの自然治癒)が進みやすいと考えます。(歯科材料の象牙質接着にも、コラーゲンは重要です)

 

特に、象牙質に進行するう蝕は、脱灰よりもコラーゲンの分解の重要性が言われています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7018481/#!po=12.5000

 

歯のコラーゲン分解は、細菌の出す酵素では分解が始まらないことが示されています。

https://www.karger.com/Article/Abstract/262417

 

象牙質コラーゲンの分解は、宿主由来のMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)の役割に注目されています。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27759416/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16373676/

 

MMPは、酸性環境下で活性化します。

 

酸性環境を作るのは、細菌が砂糖を発酵させて出す酸が一つです。

 

もう一つ、注目するのは、象牙芽細胞など歯髄組織細胞が病的代謝(脂質のエネルギー代謝)でだす、解糖系からの乳酸です(代謝性アシドーシス)。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1508887/

 

この乳酸は、ミトコンドリアでのTCAサイクルにブドウ糖が利用できないときに解糖系でたくさん産生されます。

 

ジョンレオノーラ博士が唱えるDFT(dentinal Fluid Transport)のシステムでは、象牙芽細胞から、歯髄内側からエナメル質の外への体液還流が示されています。



DFTを考えると、象牙芽細胞など歯髄内で発生した乳酸など酸性物質は、歯の中からも歯質内を酸性化させると思われます。

 

酸性を中和するには、重炭酸緩衝系があります。

唾液にも、重炭酸緩衝系が働いて、口腔内の酸性を中和しています。

 

体内でも、二酸化炭素は、ミトコンドリアで糖のエネルギー代謝によって効率よく産生されて、血液などの酸性化を重炭酸緩衝系で防いでいます。

 

当然象牙芽細胞でもミトコンドリアブドウ糖を利用できないと、効率よく二酸化炭素が発生しませんので、酸の中和は難しくなります。

 

どの細胞でもいえることですが、ミトコンドリアの糖のエネルギー代謝を著しく妨害する物質が、PUFA(多価不飽和脂肪酸)です。

オメガ6、オメガ3から作られるALEs、アルデヒドは、細胞内のアルカリ化から始まる酸性ストレスを引き起こし、糖のエネルギー代謝をブロックして病気の代謝状態(ミトコンドリアで脂肪を燃やす)にしてしまいます。

 

 

口腔内のMMPは歯周病の一因も考察できます。

糖のエネルギー代謝の低下、エストロゲンなどのストレスホルモンなどによって、組織の酸性化は、MMPも活性化して歯周組織の繊維を破壊していきます。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/perio/60/3/60_123/_html/-char/ja

 

 

むし歯は、歯のカルシウムが脱灰(溶ける)ためといわれています。

う蝕が象牙質に進行していく上でもう一つ考える必要があります。

 

現代医学で信仰のされている「Germ Theory」には、?が付きます。

口腔内からみても、体の感染症などの仕組みは「Terrain Theory」、環境依存(宿主説)です。

 

感染しても、宿主の糖のエネルギー代謝がきちんと機能していれば、体の細胞は、勝手に排出、あるいは共生へとコントロールします。

 

あえて、外から免疫を操作する必要もありません。

免疫を人工的に操作することは、結局は細胞環境をゴミだらけにして悪化させて代謝を低下させ、免疫抑制となっていきます。

 

「病原体」が問題なのではなく、感染症など病気になるかならないかは、ミトコンドリアでの糖のエネルギー代謝(糖の完全燃焼によるATP産生)にすべては依存しています。

 

 

象牙芽細胞や歯髄神経など歯髄内細胞のコンドリアでの、クリーンで最も効率的な糖のエネルギー代謝は、歯の内部の閉鎖空間であるがゆえにとても重要です。

 

歯髄腔のような閉鎖空間で、ミトコンドリアが脂質代謝を主に行えば、酸欠になり、ROSも多く発生し、乳酸産生により、歯髄内の酸化が進みます。

 

DFT(dentinal Fluid Transport)のシステムを唱えた、ラルフスタインマン博士ジョンレオノーラ博士も、歯髄・象牙芽細胞からのATP喪失が、炎症過程に作用することを述べています。

神経も、糖のエネルギー代謝によるATP依存です。代謝低下によるエイコサノイド産生から痛みを発します。

 

 

糖のエネルギー代謝を上げるために、栄養のアプローチが重要です。

整体ではアレルセラピーで、量子波動的に、口腔内環境の改善、唾液腺・象牙芽細胞・歯髄組織、血管内皮細胞の糖のエネルギー代謝の改善とそれを阻害する因子の除去。MMPの除去、コラーゲン繊維の修復、象牙芽細胞ほか歯髄組織、血管内皮細胞の修復などを行っています。

 

局所的よりも、全身の糖のエネルギー代謝を改善するのがとても重要と考えます。

局所の健康も全身の健康も、仕組みは同じです。