ケトインフルエンザ
アメリカでインフルエンザが猛威を振るい始めているようです。
体調不良、微熱が続き、原因不明の発熱で解熱鎮痛剤を飲み続けている方がいらっしゃいました。
糖質を制限して、MCTオイルを取っていらっしゃるようです。
ケトン体が体に良いといわれて始められたそうです。
ケトインフルエンザ(ケトフルー)はご存じなかったようです。
ケトン体が増えて、インフルエンザのような症状を起こします。
ミトコンドリアは、本来、糖(ブドウ糖、フルクトース)を燃やしてエネルギー(ATP)を得るのが、正常な姿です。
糖がない飢餓状態になると、ミトコンドリアでは糖の代わりに、脂肪やタンパク質を燃焼します。
脂肪を燃料にすると、その中間代謝産物でケトン体も作り出します。このケトン体も燃料として使われます。
脂肪を燃料として常に血液中に供給しなければならないため、脂肪細胞の脂肪が分解されていきます。
飽和脂肪酸よりも親水性であるPUFA多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6など)は先に分解されていき、PUFAのようなとても酸化しやすい油も燃料とするために体内に大量に浮いた状態(遊離脂肪酸)になります。
ミトコンドリアで脂肪を燃やすと活性酸素種がたくさん発生します。
エストロゲン、鉄があると、酸化しやすいPUFAの酸化はあっという間に進み(脂質自動酸化)、大量のアルデヒド(毒物)ALEsとなって、ミトコンドリアをはじめあらゆる細胞の機能を破壊していきます。
脂肪を燃料とするために体全体で脂肪の分解が進むため、細胞内の脂肪も分解(細胞内リポリシス)を起こします。
細胞内脂肪分解酵素、ホスホリパーゼA2の活性化により、炎症性エイコサノイド(炎症を引き起こす物質)が大量に細胞内で産生されます。
また分解で細胞内に遊離したPUFA自体でも、ミトコンドリアの糖のエネルギー代謝が障害され、免疫細胞に起これば、免疫抑制を起こしていきます。
貪食細胞によるゴミ処理がうまく行かなくなることもあいまって、あちこちで炎症反応が勃発します。(タンパク質分解と相まって、発熱も)
代謝が落ちることで腸の働きも悪くなり、腸からエンドトキシン(腸内細菌の毒)が体の中に入り込みます。
このように、糖のエネルギー代謝が落ちることによって(いわゆる甲状腺機能低下状態)、免疫抑制も起こし、感染症のような状態を引き起こします。
ケトン体が増えると、体は酸性化して、ケトアシドーシスとなって病気やガンになっていきます。
病気になる体の酸性化は、結果であって原因ではありません。
原因は、ミトコンドリアの糖のエネルギー代謝が障害されていることです。
唾液も酸性化するので当然むし歯も増えます。
これは糖尿病と同じような状態です。
いくら食べ物で体内のアルカリ化を心がけても、ミトコンドリアのエネルギー代謝が砂糖で回っていなければ、体は酸性化していきます。
様々な障害によって国民総免疫抑制状態となっています。