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糖のエネルギー代謝(崎谷理論)から、虫歯の考え方も変わりました。
むし歯は、「乳酸」との戦いであるといえます。
従来、う蝕の考え方は、「germ theory」(病原体仮説)に基づいて、虫歯菌が砂糖から酸(乳酸)を出して歯を溶かす。なので、むし歯菌を少なくして、砂糖を制限するという考え方です。
対して「Terrain theory」。「宿主説」ともいわれます、自分自身の細胞の代謝からむし歯の発生を考えてみたいと思います。
歯髄腔内の細胞が、オメガ3などでランドルサイクルから脂肪燃焼になれば、糖からは乳酸が産生されます。
<ランドルサイクルとは、ミトコンドリアのエネルギー代謝(TCAサイクル)で、脂肪酸がTCAサイクルに入ると、解糖系からの糖がTCAサイクルに入れなくなり、乳酸と代謝されるという効果です。>
DFT(dentinal fluid transport)によって、歯の内部から歯の外側に向かって(歯髄からエナメル表面に向かって)、液体が潅流しています。
むし歯(う蝕)の進行の仕方で特徴的なものに、う蝕円錐と呼ばれるものがあります。
穴の入り口は小さいけれど、内部で広がっている。
(エナメル質では小さいけど、象牙質で大きく広がっている).
むし歯の発生に、MMP(メタロプロテアーゼ)が関与しているのではという研究論文があります。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27759416/
歯質のコラーゲンの分解は、おもに歯質内に含有されているMMPsが、環境の酸性化によりMMPsは活性化されて、歯質のコラーゲン分解が進み、齲蝕が形成されていくようです。
J Dent Res. 2006 Jan;85(1):22-32. doi: 10.1177/154405910608500104.
in vittoでは象牙質のコラーゲンの分解開始は、細菌由来では分解活性の開始作用が認められませんでした。
Caries Res. 1997;31(5):349-55. doi: 10.1159/000262417.
閉鎖空間である歯髄腔内では、低酸素状態が起きやすく、解糖系で糖から乳酸が発生しやすい。
虫歯予防で、砂糖を制限していると、ランドルサイクルによって、歯髄内細胞のミトコンドリアでは、脂質のエネルギー代謝になる。
活性酸素を大量に発生し
PUFAからアルデヒドを発生
呼吸商から、二酸化炭素発生よりも酸素消費量が多く、低酸素に陥る
糖(砂糖)は、TCA回路に入らずに、解糖系から乳酸になる。
電子の過剰=神経過敏
以上、「乳酸」を「terrain theory」から見てみますと、
歯の内部からの乳酸によって、実は虫歯の発生起点が起きると仮説が立てられるのではと考えています。
歯髄内細胞も、さらに代謝が悪化してワーバーグ効果のような状態まで進んでしまうと激しい歯髄炎をおこすのではと考えています。
う蝕円錐という不自然なう蝕の進行形態もDFTからも考えると実は象牙芽細胞の糖のエネルギー代謝が障害され、病気の代謝(脂肪の燃焼)で、糖が乳酸となり、その乳酸が象牙細管から抹消に排出される過程で、エナメル象牙境の部分の末端から、象牙質の崩壊が始まっていくという、むし歯は「内部から」=宿主が歯を溶かしている仮説が立てられます。
虫歯もガンも、砂糖の不足・利用障害から起こる病態の一形態ということなんですね。