代謝学④
からだは、ほんとうに単純に「弱アルカリ性」なのか?
https://knowledge.nurse-senka.jp/210793/より引用
血液は、ナトリウム、カルシウムがリッチに保持されているので、弱アルカリ性を示します。
対して、細胞内は。
結論から言うと、細胞内は、「弱酸性」です。
静止している細胞内は、細胞外より、ナトリウム・カルシウム濃度が低く保たれています。
代わりに、細胞内は、カリウム、マグネシウムの濃度が高い状態が、正常な状態です。
「忙しい人の代謝学。ミトコンドリアがわかれば代謝がわかる」より。
ミトコンドリアのTCA回路がきれいに回ると、供給された酸素量に対して、効率よく二酸化炭素が発生します。
この二酸化炭素は、炭酸となり、糖がTCA回路に入ってエネルギー代謝されていて、ミトコンドリアが正常に機能している細胞内は、炭酸により弱酸性になっています。
TCA回路での反応も、水素を抜き出す酵素反応なので、酸化反応です。
細胞内、ミトコンドリア内では、酸化反応を行っているので、ここに大量に「抗酸化物質」を投入すると、細胞機能とミトコンドリア機能を傷害してしまいます。
上の図1-10より
興奮した細胞には、大量のナトリウム、カルシウムが細胞内に流入します。
糖のエネルギー代謝が回っていて、効率よく二酸化炭素がミトコンドリアで産生できていれば、発生した炭酸により、「重曹(重炭酸ナトリウム)」のように、NaとCaは細胞外に自然に排出されていき、ATPを浪費せずに細胞を静止状態(リラックス)にします。
(Cardiovascular Research, Volume 52, Issue 3, December 2001, Pages 387–396,)
(崎谷医師の資料より)
(J Mol Cell Cardiol. 1995 Jan;27(1):231-42.)
抗酸化物質を使うときは、体がアルカリになればいいという、安易なものではなく、細胞内外の、酸性・アルカリ性を考えて行わなければいけません。
なので、当院では、スカイ10などで体の状態を調べたうえで、本当に「抗酸化物質」が必要なのか判断したうえで、患者さんには短期的摂取をお勧めしています。
安易な「アルカリ化」は、細胞をガン化へと導く恐れがあります。