MDCのブログ

健康は、変えることのできない生命の「代謝の法則」に従ったことに対する「結果」です。

代謝学③~人為的な「抗酸化」・「アルカリ化」によるミトコンドリア障害

代謝学③


人為的な「抗酸化」・「アルカリ化」によるミトコンドリア障害

 

ミトコンドリアの電子伝達系(呼吸鎖)から見ると、人為的な抗酸化物質は、ミトコンドリアの呼吸(電子伝達系)を障害しています。

 

抗酸化物質は、使い方を誤ると、細胞環境を悪化させてしまう物質ですので、体の状態をみて摂るかどうかを決めたほうがよいと思います。



我々の細胞には、「ミトコンドリア」という、生きていくうえで絶対に必要な、エネルギーを生み出す器官があります。
 

家庭でも、電気(エネルギー)が止まったら、家電類は動かなく(細胞で言えば死のような状態)になってしまいます。

 

ミトコンドリアは「細胞の発電所」とも言われます(ミトコンドリアにある電子伝達系)。


[ゆっくり生物解説] ミトコンドリアの重要性を解説 / 細胞内共生説

https://www.youtube.com/watch?v=jtSRR8DnG_o


【生物】ミトコンドリアの役割を映像で学ぶ

https://www.youtube.com/watch?v=eG_iMQZ5Yv0


実際に、ミトコンドリアも、炭水化物から電子を抜き出して、抜き出した電子が持っているエネルギーをゆっくり取り出しながら、膜間腔というところに水素をくみ出して(濃度を濃くする)、そこから水素の濃度の薄いところに流した時のエネルギーをつかって、ATPという私たちの細胞が使うエネルギーを生み出します。

 

これは、水力発電と似ています。

 

ダムに水(ミトコンドリアでは水素)をためて、そこから水(水素)をながした水力によって、発電(ミトコンドリアではATP産生)しています。
 



https://hatchobori.jp/blog/5939」より引用

発電後に使った水素の処理のために、酸素を使って水に変換して流しています。
私たちが、「呼吸」しなければならないのは、この最後の水素の処理のためです。

 

呼吸法などで大きな視点で「呼吸」を整えることも大事ですが、その「呼吸」は、ミトコンドリアでの水素の処理のためにしているという、マクロの視点も重要です。

 

ミトコンドリアの呼吸鎖が障害されているのに、呼吸の仕方だけをトレーニングしても、片手落ちになりかねません。


また、その逆もしかりです。マクロとミクロは両輪です。

 

ミトコンドリアの「呼吸」は、糖をエネルギー源にしたときに、最もクリーンに効率的に働くようにできています。


抗酸化剤として、はやりの「水素水」や「水素吸入」、その他の抗酸化物質がありますが、抗酸化のやりすぎは、血液の弱アルカリ化を通り越して、細胞内までアルカリ化してしまいます。

 

細胞内でさまざまな機能が働く環境の基本設定は、「弱酸性」の細胞質です(pH6.8-6.9)。

https://www.toho-u.ac.jp/sci/biomol/glossary/chem/buffer.html

Eur J Biochem. 1985 May 15;149(1):1-4. doi: 10.1111/j.1432-1033.1985.tb08884.x.)

(Cardiovasc Res. 2001 Dec;52(3):387-96. doi: 10.1016/s0008-6363(01)00430-8.)

 


ミトコンドリアの糖のエネルギー代謝が効率よく回って、たくさんの二酸化炭素を発生し、炭酸により、細胞内は、弱酸性環境になっています。

この、弱酸性の細胞内環境により、血液はアルカリ性ですが、毛細血管部の血液は、若干pHが低下することを二酸化炭素濃度の上昇によって、ボーア効果により、効率よくヘモグロビンの酸素と二酸化炭素が交換されます。

 

細胞内を抗酸化剤で「弱アルカリ性」にするのは、細胞内環境にとって本当に良いのでしょうか?


ただし、「真の」酸化ストレスによって(過酸化脂質による酸化)、細胞「外」環境を、弱アルカリにするのは、良いと思います。

目的と限度をきちんと把握して抗酸化物質は使う必要があります。


 

https://ayako-clinic.com/hydrogen/

より引用


ミトコンドリアのエネルギー産生は、水力発電とよく似ているので、ミトコンドリアの電子伝達系では、エネルギーを生み出すために、「水素の濃度差」や電子の流れを作り出しています。

 

よかれとおもって、一生懸命「抗酸化」をすると、細胞内環境を水素や電子だらけにしてしまい、ミトコンドリアの「水(素)力発電」は、「水(素)びたし」「電子の漏電」となってしまい、エネルギー代謝の障害として働いてしまいます。

 

過度の抗酸化・アルカリ化は、ミトコンドリアを障害しています。

 

ミトコンドリアの障害は、むし歯・歯周病から、様々な慢性疾患、ガンまで引き起こす原因となります。

(崎谷医師のガン安心療法等参考)