代謝学16 ~糖は細胞素材にも変えて利用する~
<遺伝子にも、糖が重要>
遺伝子。私たちの体の設計図(遺伝情報)となっています。
遺伝情報はDNAからRNA、RNAからタンパク質生成へと情報が伝えられます。
DNA、RNAですが、そこには、「糖」(5単糖、リボース)が中心となっています。
また、ATPにも、リボース(5単糖)があります。
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/http://www2.huhs.ac.jp/~h990002t/resources/downloard/14/14biochem2/01metabolism14v1.pdf
リボースは、5単糖(ペントース)の一つですが、5単糖は、ペントースリン酸経路から生成することができます。
グルコースからの解糖系に入ったところの「グルコース6リン酸(G6P)」から、ペントースリン酸回路へ入ることができます。
これによって、リボースを作り核酸やATPの合成材料に利用されます。
また、「NADPH」が生成されることも重要です。
「NADPH」は、還元剤(抗酸化剤)として働きだけでなく、脂肪酸の合成にも必要な物質です。
このあたりは、脂肪中毒であるがん細胞の代謝を理解するうえでとても重要です。
(詳しくは、崎谷先生の「ガン安心療法」を参照ください。)
ざっくり言うと、大部分のがん細胞の代謝は、ミトコンドリアで脂肪を燃やす代謝(病気のエネルギー代謝)です。
(糖があっても、脂肪でTCA回路を回す、わーバーグ効果。糖尿病などの慢性疾患と同様のエネルギー代謝形態)
糖を大量に取り込んでも、糖は電子伝達系まで届かずに、解糖系、上記のペントースリン酸経路などで消費されます。
ガンは分裂が盛んな細胞なので、糖はリボースの合成につかわれたり、脂肪合成の補助や電子の処理に使われたりします。
病気のエネルギー代謝(脂肪を燃やす)である代表選手であるがん細胞は、糖がTCA回路に入るのをブロックされてしまっているために、脂肪中毒のように脂肪を利用してエネルギー産生をして、糖は解糖系やペントースリン酸経路などの方向に利用されています。
https://www.igakuken.or.jp/topics/2016/0627.htmlより