代謝学⑪~脂肪を燃やしすぎるとミトコンドリアの死亡をもたらす③~
~多価不飽和脂肪酸は、燃やすとガンで死亡する~
(ちょっと復習)
繰り返しになりますが、
動物が生きていくためには、グルコース(糖)を出発点とする「グルコースー解糖系ーTCA回路ー電子伝達系」の反応が滞りなく行われることが、「絶対に必要な」条件です。
グルコース(糖)がない飢餓状態のときに、エネルギーが産生されなければ細胞は死んでしまいますので、糖の代わりのエネルギーとして、脂肪を使います。
脂肪酸は、中性脂肪をして脂肪細胞で蓄えておけます(皮下脂肪、内臓脂肪等)。
絶対に糖が必要な細胞がありますから、グリコーゲンも尽きて糖がなければ、体を砕いて(タンパク質を分解して)アミノ酸を材料に、「糖新生」を行って、血液中の糖を維持します。
飢餓状態のときに、脂肪酸がTCA回路から割り込む形で入り込み、エネルギーを産生します。
(復習終わり)
脂肪酸は、そのままでは「グルコースー解糖系ーTCA回路ー電子伝達系」に入り込めないので、分解されていって(ベータ酸化)、アセチルCoAという形になってTCA回路に割り込む形で入ります。
脂肪細胞から分解された脂肪酸は、動脈血から細胞に運ばれてきます。
細胞内、特にミトコンドリア内での反応は、水素を取り出す脱水素酵素だらけなので、弱酸性環境になっています。
(代謝学②~⑤あたり参照)
さて、ここで、脂肪酸の種類によって問題が出てきます。
飽和脂肪酸と、不飽和脂肪酸(オメガ6,オメガ3,フィッシュオイル)です。
飽和脂肪酸は、とても酸化しにくい脂肪です(反応する部分が飽和(いっぱいいっぱいの状態)なので、酸素に触れても反応しにくく安定している(酸化しにくい)。
不飽和脂肪酸(オメガ6,オメガ3,フィッシュオイル)は、反応する部分が余っているので(不飽和)、不安定で酸化しやすい性質があります。
代替燃料として脂肪酸を使ったときに、飽和脂肪酸であれば「酸化」しません。
しかし、不飽和脂肪酸ではどうでしょうか?
運ばれてくる動脈血や細胞内は、酸素が豊富な状態です。
さらに、細胞内は弱酸性環境です。
さらにさらに、体温があるので、熱が加わった状態です。
さらにさらにさらに、ミトコンドリアでは、常に活性酸素が代謝の過程で発生しています。
多価不飽和脂肪酸であるオメガ3の油は、光に当たったり酸素に触れたら酸化してしまいますので、密閉した遮光ビンに入っています。
オメガ3の亜麻仁油は、酸化して変性して乾燥しやすいために、ニスとしても利用されています。
現代人の食事には、ありとあらゆるところに植物油脂が入り込んでいます。
身の回りの食品表示を見てみましょう。
もし、糖質を制限し続けて脂肪を代替燃料としたら、現代人の体内ではとんでもないことが起こります。
なぜなら、多価不飽和脂肪酸(オメガ3,オメガ6、魚油(EPA,DHA))は、酸化すると発がん物資である、猛毒の「アルデヒド」と変化するからです。
現代人の食事内容は、植物油脂(オメガ6、オメガ3)や、和食(魚油(EPA,DHA)がリッチです。
健康のために「糖質」を控えて、脂肪を燃やそうとすると、酸化されやすい多価不飽和脂肪酸はアルデヒドとなって、体中が「発がん物質産生工場」と化してしまいます。
からだにいいという宣伝で、オメガ3油の「ニス」を体内に塗らないように気を付けましょう。
オメガ3の害については、過去記事の崎谷先生の記事の引用を参照してください。
https://blog.hatena.ne.jp/mdc4555/matsuodental.hatenablog.com/edit?entry=13574176438075802731
から
ネットより引用させていただきました。