代謝学14 ~悪玉とされているが実は善玉だった~
食用油産業から悪にされ続ける、本来は善玉である「悪玉」コレステロール
皆さんが嫌う、「コレステロール」。
このコレステロールの原料は、アセチルCoAです。
体内のコレステロールの半分は、食事から、もう半分は、体内でアセチルCoAから生成されます。
TCA回路の入り口にある物質です。
コレステロールは重要な生体物質です。副腎皮質ホルモン、男性ホルモン、女性ホルモンなどのステロイドホルモンの原料となるステロイドは、コレステロールから合成されます。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89
また、細胞膜を構成する重要な物質です。
https://kurie.at.webry.info/200706/article_56.htmlより
コレステロールには、HDL(善玉コレステロール)とLDL(悪玉コレステロール)があって、健康診断でLDLが高いと医師から注意を受けます。
LDLは、肝臓から組織にコレステロールを届ける(材料を届ける)。
HDLは、組織からコレステロールを肝臓に回収(廃品回収)。
LDL、HDLは、コレステロールの運び役のリポタンパクの形態の違いです。
リポタンパクによって、コレステロールは運ばれますが、一緒に中性脂肪も入っています。
コレステロールが酸化したものは、酸化コレステロールといいます。
LDLコレステロールが酸化したものは、酸化LDLコレステロールといいます。
コレステロールよりも、もっと酸化しやすいものがあります。
それは、オメガ6、オメガ3などの多価不飽和脂肪酸(PUFA)です。
PUFAは、容易に酸化されて過酸化脂質となり、アルデヒドを発生していきます。
LDLコレステロールに含まれる多価不飽和脂肪酸はすぐに酸化されて酸化LDLコレステロールとなります。
LDLコレステロールは、ステロイドホルモンや細胞膜の材料として必要なコレステロールを抹消の必要臓器に運ぶため、本来は、人為的に下げてはいけないコレステロールです。
コレステロールが悪い、という意味をもう一度考え直してみましょう。
悪さをするのは、酸化LDLコレステロールなのです。
LDLコレステロールを酸化させるもの、それが、PUFAといわれる多価不飽和脂肪酸であるオメガ3、オメガ6の植物油脂・魚油なのです。